本場チベット仏教のお寺はどこも現役で人々の信仰の中心地。お参りに来る人々の熱心な姿に心打たれつつ、その威厳あるお寺にシャッターを切りました。ラマ(僧)による問答で有名なセラ寺、ラサ郊外にあるガンデン寺などをまわりました

 

ラサの街をぶらぶら散歩し、街はずれまできた。誰ひとりいない道が続き、ただひたすら青空と雲が踊る

 


詩的なことを思いながらブラブラと散歩を続けると、前方にまさに羊型(笑)に干された羊ちゃんたちが。ちょっとかわいそうと思いつつも、あまりにファニーなその干されっぷりにケケケと笑ってしまう

散歩中、雲をバックに下からパシャリ。雲がつかめそうに近い。撮れそうで撮れない写真だろう。ちょっとみうらじゅんに似てる?

 

象をデザインしたタルチョが風にはためいている。チベット圏ではいたるところで目にするこの五色の旗。旗にプリントされている仏法が風に乗って世界に広められていくというなかなかロマンチックなアイテムだ

ひたすら散歩を続けると、広い川に出た。誰もいない道、ちょっとずつ形を変える雲をぼーっと眺めていたら、ここだけはあまりに平和すぎて思わずニヤニヤ笑ってしまう

 


散歩に疲れたらお茶屋さんでひと休み。私たちはほぼ毎日、お茶を飲みにここに通っていた。「チャガモ」と呼ばれる甘いミルクティーは一杯3角(=約4.5円)。ちょっぴり薄暗く、そのぶんみんなリラックスしている、いい雰囲気のお店だ
やかんを手に狭い机の間をするりと抜けてお茶をふるまう、給仕役のお姉さん。あらかじめ客が机においた札をさっと集め、ピッとおつりを返す素早さはさすがプロだ。もちろんお茶もウマイ

 


チベット料理の筆頭、モモ。ヤク肉を使った餃子で、調理の仕方もさまざまだが、こちらは特製スープ仕立てで。お味のほうは店によってまちまち……。ちなみにここのはあっさりしたスープも相まって、なかなか美味
ホテルの部屋から見える、ラサの普通の路地裏。どの家も屋上にすでに色あせた五色のタルチョがはためく

 

ひと休み中のおじいちゃん。うしろのドアにかかっているのは、チベットではどこでも目にすることのできるチベタン・カーテン
欲しいな〜、買いたいな〜と話しているうちについ購入してしまったチベタン・カーテン。こんなものは絶対持って旅できないね〜と困りながらも、買った喜びにウハウハ・ショット

 


夕方、ホテルの屋上に出ると刺すような太陽がこちらを向いてました。バッチリと太陽を受けて、街は照れたように輝いていました……なラサの風景。ちなみに中国は統一時間を採用しているため、この明るさでも午後7時だったりする

ラサの郊外にあるセラ寺にピクニック。山のふもとにたてられたお寺はゆったりとしててなかなか趣がある。するとどこからともなく拍手の音と人のざわめきが聞こえてきて……

 


音の先を訪ねると、修行の一種である「問答」をやっていた。組になり、ひとりが質問すると同時に手をパチンとたたく。答えるほうも質問するほうもカメラを意識してカッコつけてた。「セラ寺の問答は真剣さが足りない」と言う方にも会ったが、そのニヤケ具合も普通の若者らしくって微笑ましいような気がした


今度はラサから2時間ばかりのところにあるガンデン寺を訪ねる。山に沿って建てられた巨大なお寺とそれを囲む数々のゴンパ(僧院)。ここは立派なひとつの街だ

 

ひとつひとつの建物をお参りしてまわる。カーテンと空の白と青のコントラストが目に映る
お寺の内部。前方に本尊があり周囲を仏像で囲まれているが、仏像は撮影禁止。自然光とヤクバターのそうろくだけの室内は心が落ち着く。時間がくれば座布団にそれぞれラマが座り、お経があげられる

 


チベットのお寺、ゴンパなどいたるところで目にするヤクバターで灯されているチューメ。マー(ヤクバター)は、訪れる人がお供え物として注いでいく

ガンデン寺のちいさなラマとその仲間(?)。チベットの子供はみんなカメラを向けると固まったまま「気をつけ!」をする

 


かつては1万人以上のラマが暮らし、修行していたというガンデン寺。これらの建物すべてが宗教心をもとに建てられたのかと思うとどこか不思議な気持ちがする


ガンデン寺を囲む山道の入り口でタルチョ屋を開く青年。ビシッとキメたポーズがなかなかかわいかったのと、まわりのチベット人のタルチョの買いっぷりにそそのかされ、持ってきたタルチョもあるというのに再度購入してしまった

 


ガンデン寺の建っている山には、タルチョがいたるところに幾重にも張られている。ラスタカラーのようだと思ったり、運動会の飾りつけのようだと思ったり


それにしてもタルチョは青い空によく似合う。ここは雨が少ないからか、色あせの少ないカラフルなタルチョが並ぶ。風に乗って仏法が飛んでいくというタルチョの縁起も、この景色を見ると納得してしまう

 

あまりにたくさんのタルチョが張られているので思わず記念写真。私たちの手にもしっかりタルチョが握られている
ガンデン寺のまわりの山をハイキングしながら。勇んでポーズしてますが、足下はけっこうな崖

 

山をテレテレ歩いていると参拝中のチベット人の少女と出会う。終始はにかみ顔で、めちゃめちゃキュート。あとでよく聞けば、写真後方からニラミをきかせてるのがダンナさんだとか
彼女もラサからやってきた参拝者。せいいっぱいのおしゃれで、跳ねるように山道をかけていった。どうやらこの道は山をコルラ(聖なる物を時計回りにまわる参拝スタイル)する、一周ルートだと気づく

 


歩き出して2時間、ようやくガンデン寺に続く道を発見できた。くるときはこのくねくね道をおんぼろバスに揺られてきたのだった