ブルガリア最大の観光スポットがリラの僧院。ブルガリア正教の総本山ともいえる僧院で、かつてオスマントルコ帝国に支配されていたときも、ここだけは特例として宗教活動が認められていたそうです。ひっそりと山奥に佇む僧院はストイックな雰囲気に満ち溢れていて……と言いたいところですが、意外や意外、山奥に佇んでいたのは……!?

 


僧院はリラ村からさらに山奥に行ったところにある。村のバス停で乗り換えるバスを待っている間のショット。のーんびりとした田舎で、こんなところにいたら人間もおっとりするでしょ

 


バス停の脇にひっそりと飾られていた、ミニ蒸気機関車……? 暇なので撮ってみたのですが、あまり意味はありません(笑)。カワイイけど
いざ、僧院の入り口を前に。石積みの塀の脇にちょこんと入り口があって、地味といえばかなり地味です。ひょっとしてガッカリ世界遺産かもなあ……とちょっと不安になる

 

僧院の内部は犬くんは入れません。犬の顔がちゃんと「なんで入れないんだよお」とむくれているのがご愛嬌。実際に中に入ってみるとちゃんと犬も猫もいて、ゴロゴロしてたんだけど

入口を入ると、デデーンと中心にある教会が姿を現しました。ってか想像していたのより全然派手! アーチは白と黒のストライプ、建物上部は赤と白のストライプ……ってこんな教会、見たことない! と思わず興奮ぎみに……

 


でもって白黒のしましまアーチの向こうには、一面にフレスコ画が。この僧院はかつて火事で焼けてしまったらしく、フレスコ画も修復後のものでまだぴかぴか。というよりギラギラと言ってしまっても過言ではないぐらいカラフル

フレスコ画を正面から。天使が舞ってます、ミカエル(たぶん)が輝いてます。フレスコ画というと年代を感じさせる壁にかすかに残っているものばかり見てきた私たちとしては、このクリアさ、カラフルさはなんだか意外。アニメのセル画のようではありませんか!

 

フレスコ画は1枚がこのぐらいのサイズで、これが教会の側面をビッチリ埋め尽くしているのです。教会ではあるけれど、この聖人の数といい、色の鮮やかさといい……多神教で知られるインドのヒンドゥー寺院を彷彿とさせます。うーん、あなどれないぞ、リラの僧院

もちろん天井にもキリストがこってりと描かれていました。このフレスコ画は巨匠ザハリ・ゾグラフ(誰だそれ?)らが無償で描いたものだとか

 


外壁のけばけばしさ(失礼……)にもビックリしましたが、中もスゴイ。どどーんと音をたててせまってきそうなぐらい、一面のゴールド、ゴールド、ゴールド! 装飾もとにかくゴテゴテしていて、「山奥にひっそりとある寂れた僧院」という予想が見事に覆されました

遠足? で来ている学生さんぽい団体の集合写真をこっそり撮ってみました。はるか日本で自分たちの写真が勝手にサイトにアップされているなんて知らないんだろうな……。ブルガリアはトルコ系の住民も多く、黒目黒髪の子も多い

 


どこからか懐かしい声が! と思ったら、なんと日本人の団体客の姿が。こんな地味なところにも、ちゃーんと来てるんですねえ。しかもおじちゃん、おばちゃんが多く、日本人の中年の方はさすがだあ〜と思ってしまいました

こちらは仲よし5人組で来ていたブルガリア人のおばちゃんたち。ブルガリア人の若い女性はほっそりとした人が多いが、おばちゃんになるとみんな恰幅がよいですな

 

僧院の目玉、フレリョの塔。なんでも火災をまぬがれたのはこの塔だけで、14世紀から建っているとか。といっても教会に比べたら地味です(笑)
塔の1階はお土産屋さんになっていました。ウッディーな造りもいいし、なにげにラインアップもいい。宗教グッズのなかでもレア度が高そうだし

 

売っていたのはこんな木の板に描いたマリア様の絵などなど。素朴で、いい感じじゃない? 相変わらず私たちは写真でガマン
僧院をバックに普通に記念写真(笑)。しかしこの白黒のしましま、気になるなあ

 


僧院の廊下はこんな感じ。いかにも山奥のストイックな住居……と想像していたのだけど、もうちょっとカワイイ。全部で360房あるそう

僧院の廊下からは中央に位置された教会が目に飛び込んできます。上もポコポコ丸くでっぱっていて、やっぱり不思議

 


教会上部。やっぱりしましま模様(笑)。教会というよりどこかモスクのような雰囲気があるように思うのは私だけでしょうか?

僧院の中にある博物館にて、社会化見学? で来ていた美少女たち。ブルガリアは美人が多いけれど、美少女も多いのね。おばあちゃんも奥からけげんな顔で見ている

 


博物館にあったタペストリー。横たわるキリストが見える。赤くてピカピカしていて、これまた派手!

展示してあったナゾの機械。昔の足踏み式ミシンみたいだけど、手車がついているしなあ……。答えは右の写真へ

 

隣の機械は、こんな版画を作るもの。手でせっせと刷っていたんでしょうね。意外とキレイに刷れています
この博物館のお宝、細かい彫りの入った木製の十字架。19世紀初頭に僧ラファエロによって12年! かけて造られたのだとか。高さ50センチの大きなモノだけど、近寄ってみると、ホントに細かい彫刻が!

 


なんと十字架の中には1500人の登場人物がいるそう。3〜4センチ位の中にもこれだけの凹凸でもってびっしり彫られているのだから、スゴイ。12年かけて作られたときには、僧はすっかり視力を失ってしまったそうな。ブルガリア、なかなかあなどれないのだ