インディヘナが多く、南米のなかでは格段にエスニック感がある国がボリビア。決して旅行しやすい国だとは言えないけれど、そのぶん強烈なインパクトがあったのも確かです。まずは世界一標高の高い首都、ラパスの写真を中心にまとめてみました

 


ペルーを抜けて、いよいよボリビアへ入国。頼りなげなゲートをくぐると、もう向こう側はボリビアです。なにかと悪名高いこの国境ですが、私たちは難なく通過できました

 


まず私たちを迎えてくれたのは、ちょっとゆがんだ字で描いてある「トイレ」。こんなところで日本語を見かけると、つい「おお!」と感嘆の声をあげたくなるってもんです

ペルーとの国境の街コパカバーナは、目の前にチチカカ湖が広がるのどかな街。それにしてもチチカカ湖って広いな。このへんもツーリストが多いらしく、通りの両サイドはお土産物屋さんがいっぱい

 

誘われるようにチチカカ湖畔へ。いかにも素朴な桟橋に立っていると、なんだか昔自分がここにいたことがあるような、不思議な気分になったのでした。ボリビア、楽しそうだな

「え、バスが湖の上を!」とビックリ写真のように見えなくもないですが、よく見るとただバスを渡し舟に載せているだけ。しかしこんなしょぼい渡し舟で大丈夫なんだろうか……と見ていて不安になる

 

首都ラパスへ向かう道はひたすら大地と大空が続く。ペルーもそうだけど、ここボリビアもとにかく空が広い。地面が広い。せせこましい日本と比べると、開放感がぜんぜん違うのだ

首都ラパスが見えてきた瞬間、「!!!」と目をパチクリしてしまった私たち。すり鉢状に広がる街は、はるか奥に雪山をたたえて、ここだけ別世界のよう。世界最高地にある首都ラパスってば、いったいどんな街なんだろう……

 


ラパスは、いい意味で予想を大きく裏切ってくれた街。とにかく人が多く、露天が多く、やたらごちゃごちゃしていて活気があるのだ。すり鉢状に街が広がっているので、どこにいても坂道の上の家々が見渡せるのもなんだか不思議

ごちゃごちゃした街中に、無理やりはめ込んだようなサンフランシスコ教会。威圧的なヨーロッパの教会とは違って、実に庶民派な空気が漂っているのです

 

いったいどこから持ってきたの? って言いたくなるぐらい大きなポップコーンの入れ物を道ばたにデンと置いて商売するお姉さん。ラパスではよく見かける風景だけど、彼女たちのたくましさには、ちょっとビックリしてしまう

この街は、道ばた、人のいるところはどこでも露天が開いている。店子は圧倒的にインディヘナのおばちゃんたちが多い。ラパス、って聞くと思い浮かぶのはこんな風景

 


インディヘナの人たちの御用達アイテム、コカの葉。これをなんちゃらかんちゃら加工すると、コカインになってしまうのだ。けれどこの国ではコカの葉はれっきとした生活必需品。高山病にも効くとかで、みんな口にいっぱい入れてくちゃくちゃしている。お味のほうは、いかにも葉っぱを噛んでいるようで、口に入れていると自分が牛になったような気になる
ちょっと喉が渇いたときは、露天でフレッシュ・ジュースをいただく。その場でギューっと絞ってくれるジュースは実にフレッシュ。衛生面ではどうなのかわからないけれど……

 


とにかくやたらそのへんにうじゃうじゃいるインディヘナのおばちゃん。実際にはおねえちゃんもいるんだけど、彼女たちはみな一様に「インディヘナ・ルック」に身を包んでいるので、パッと見、年齢不詳な人が多い


小さい坂道の合間を縫うようにして、露天が続く、ひらすら続く……。道行く人もちょろりと物色しながら、ゆっくりと歩く。標高が3650メートルあるので、ラパスでは決して走ってはいけないのだ(というか、実際、息が切れて走れない……)

 

この街は、とにかくやたら歩きにくい。人が多いし、道も狭いし……。でもそんななかで身をよじらせながら歩いていくと、あら不思議、いつの間にか自分がすっかりラパスに同化してしまっているのです
街の一角には別名「魔女通り」と呼ばれる場所があって、そこには呪術に使う怪しげなグッズが並んでいる。こちらはアルパカの胎児のミイラだとか……かなりキモい

 

私たちの泊まっていた宿の近くには、やたらとペルキュリア=床屋さんが多かった。半径50メートルのところになんと10軒近く。日本と同じく、なぜか金髪イケメンのカット写真が並んでいる
黄緑色のキュートなバス。このままお店になってしまいそうなカワイさだけど、実際はガーガー音ばかりうるさくて、しかものろい

 

バス内部、メーターもおもちゃみたい。この街は道が細いから、運ちゃんは結構神経を使いそうだな。とはいえ運転は当然のように荒い

ラパス郊外にある「月の谷」に行ってきました。ここは名前の通り月のような不思議な景色が広がるところ。っていうか、月ってこんな景色なんですねー

 


月に着陸した妻。規模はあまり大きくないけれど、シュールな雰囲気には結構楽しめました。どことなくトルコのカッパドキアを彷彿とさせる景色ですな
奇岩を見ると、ついついシャッターを切りたくなってしまう私たち。奇岩マニア? でもこういう形の岩を見ていると、自然って不思議だわーと思ってしまうのね

 

月の谷の付近は乾燥した大地が続く。ラパス周辺は基本的に茶色く、砂っぽいところが多い。植物もあんまり育たなそう……
ボリビアの食事は基本的に鶏。トリ、トリ……と毎日のように食べていました。日本のケンタッキーのようなファースト・フードなチキン屋もあり、腹が減って死にそうだった妻を助けてくれましたとさ

 


世界中どこに行っても存在するのが中華料理。「米が食べたい!」ってときはよくお世話になっていました。このぶっかけご飯はどことなく日本風の味付けだったな

ボリビアでおいしかったものといえば、アレキサンダー・コーヒーのカプチーノとチーズケーキ。ずっしりと重量感のあるケーキと本格派のカプチーノを目の前にすると、ここが世界の最貧国のひとつであることをついつい忘れてしまう

 


道ばたに飾ってあった不思議にキュートなオブジェ。ボリビア人は基本的に器用な人が多く、民芸品も発達している。実は芸術センスの高い国民だと思う

ボリビアだって、ちゃんとグラフィティは存在する! でも欧米諸国のファッション的なものとは違って、政治的なメッセージがあるものが多い

 

ラパス市内にある電気街。実は南米でも有数の格安地帯で、日本製の電化製品もズラリと並んでいた。この国の物価を考えると誰が買うのかな……って感じだけど、結構繁盛していた

旅行者としては、そこらじゅうにお土産屋があるので気が散ってしょうがない(笑)。しかも100〜500円ぐらいでそこそこにいろんなものが買えるので、ほぼ毎日のように買い物してしまったのね

 


ボリビア土産の筆頭は、カラフルな耳当て付き帽子。これ、ぜーんぶ手編みで、実に細かく模様が入っているのです。しかーし、これだけカラフルなものは、日本人にはちょっと似合わないかも……
クリスマスが迫ってきているところ。街角では少年がクリスマス用の飾り物を売っていました。貧しい国ほど子供たちがよく働くのを見ていると、「け、日本の子供に見せてやりたいぜ」と思ってしまう

 

「なによ、アンタ!」な顔でギョロリとにらむおばちゃん。インディヘナのおばちゃんは基本的に迫力がある人が多い。ちなみにインディヘナの人たちは土着の宗教とキリスト教を融合させた、不思議な宗教観を持っているらしい
旧市街の中心地はムリリョ広場。鳩がくつろいでいるところはやっぱりスペイン風。しかし鳩ってのは世界中どこに行ってもうじょうじょしている鳥なのだ

 


広場の奥にデデーンとそびえたっているのが国会議事堂。もちろんヨーロッパの香りがプンプン。中央にチロリと見えるラスタ・カラーの旗がボリビア国旗。なぜにラスタ・カラー?

ある日、コレクティーボ(ミニバス)に乗ってボリビア郊外の市場に行ってみました。ラパス市内は走っている車の9割がコレクティーボなんじゃないかってぐらい、コレクティーボが多い。安いし、便利だから旅行者的にはうれしいんだけど

 

エルアルトの市場。ここは基本的には古着を中心に売る市場だけど、何やら怪しげなモノを売る人も多い。手前に見えるのは中国製の洗濯物入れ。パタンと折りたためて便利そうなので、ついつい買いそうになってしまった(笑)

でもってこちらが古着。種類はいろいろあって、写真のネルシャツから、女性の下着までさまざま。9割はガラクタなんだけど、よく探すと実はいいものがあったりする

 

アドレナリン大放出で掘りまくるおばちゃんたち。洋服がガーっと並んでいると、ついつい鼻息が荒くなってしまうのは、世界各国女性の共通項かしら?

傍らでは、お兄さんが真剣に靴を選んでいました。中にはかたっぽだけの靴もあったりして、ちょっと笑える。でも靴も一足500円以下、と何を買っても安い

 


市場で選びつかれたときは、怪しげなジュースを飲んでひと休み。杏入りのまずそうなジュースだけど、ボリビアではかなりポピュラーな飲み物。一杯20円以下

ラパスを出たあとは、さらに南に下ってオルーロという街に行きました。ここで電車に乗り換えて、さらに南下。広々としたプラットフォームが、なんだか旅感に溢れています

 


ツーリスト向けの車両はかなり上等。シートのクッションも利いているし、「ここがボリビア?」と思ってしまうほどゴキゲンなのです。いよいよ次なる目的地、ウユニに向けて出発!