ペルー観光のハイライトといえば、マチュピチュ遺跡。南米に行く前から「南米に行ったら……やっぱりマチュピチュでしょ!」というぐらい、唯一無二の遺跡として楽しみにしていました。実際行ってみて本当にすごかった! 遺跡観光のほかにも、そばにあるマチュピチュ山への登山や、アグアスカリエンテスで温泉に浸かったりと思い出いっぱいです

 


マチュピチュ遺跡は、山の頂に突然ドドーンと現れます。写真では何度も見たことある景色だけど、実際見るとあまりの美しさに息を飲んでしまうぐらい。この完成度の高さ! 思わずしばしここで見ほうけてしまいました

 

とりあえず、マチュピチュをバックに記念写真。っていうチームが多く、入口そうそう人がワラワラと集まっていました。確かに世界各国から観光客が集まるだけのことはあります
実際行ってみて思うのは、いろんな角度からマチュピチュが楽しめるということ。まるでアニメのなかに出てくるような遺跡じゃない?

 


遺跡のそばでは、のんびりと草をはむリャマとアルパカの姿が。手前のモコモコなのがアルパカ、後ろがリャマ。どちらも温かい毛を身にまとっていて、セーターなんかに使われている

さらになにやら意味深な顔をしたリャマが佇んでおりました。「ねー何考えてるの?」と聞いてみたところ、「いやあ、マチュピチュも変わったなーと思って」なんて言ったとか言わないとか

 

「ふん、撮るなら撮ってもいいわよ」といわんばかりの顔。でもなにげにコイツ、カメラをかなり意識してると見た。後ろににょきっとそびえたつのが、マチュピチュ遺跡のシンボル、ワイナピチュ

マチュピチュの名前は、遺跡の背後にそびえるこの山からきている。「マチュピチュにきたら、マチュピチュ山に登らなきゃ!」と意気込んでいた私たちだけど、下から見ると頂上ははるか遠くに見える……

 

マチュピチュ山への登頂がスタート。まだ余裕のある顔をしているけど……。このあたりは雲が、空が手が届きそうなくらい近い
「登ろうよ〜」なんてノリノリだった割には、「け、けっこうキツイ……」とバテぎみの妻。背後に見える遺跡がどんどん遠ざかっていきます

 

途中見つけたギューっと手を閉じているような植物。カワイイ。ちょこちょこ写真を撮りつつ、休憩しつつ……じゃないと体がもたないかも……
正面の峰には雲がかぶさってきていた。マチュピチュは山にあるだけあって、結構天気が変わりやすい。「曇って雨が降る前に、とりあえず頂上まで行かなきゃ!」

 


山を登るにつれて、このあたりの地形が引きで見えてくる。くねくね蛇行しているのはこのあたりの水源、ウルバンバ川

いよいよ、頂上がすぐ目の前に! 頂上にはインカの象徴である7色の旗がはためいていました。ここまで約1時間半の道のり

 


ついにゴール! 私たちより20分も前に頂上に到着していたアキくんと。奥に見える白っぽいスペースが遺跡。ここまで高台に登ると、この遺跡がいかに壮大な自然の中にあるのかがよくわかる

風にゆらめくインカの旗。誇らしげに揺れているのを見ると、こっちまでウレシクなってしまう。ゲイの象徴である7色の旗と同じデザインなので、実は私たち、最初は「え、ゲイの旗がなぜ?」と勘違いしていた(笑)

 

頂上まで着いたところで、ちょっくらお昼寝タイム。今朝は6時前には起きてガシガシ歩いているから、コテンとすぐ眠りについたふたり。こんな写真が撮られていることさえ気づいていない模様
山を降り、遺跡の中に突入。上から見ると平らに見えた遺跡だけど、実際は面積の半分が斜面にあるので、かなり高低差がある。こんなところに街を造るなんて、いろんな苦労があったんだろうなー

 

マチュピチュはインカの都市のなかでは手つかづで残っている唯一の遺跡だ。なによりも特徴的なのは、街中に張り巡らされた水路。遠く山のかなたから運ばれた水が、緻密に計算された水路をいまもなお流れている

かつて技術者の住まいだったエリア。屋根はわらぶきで作られていたとされている。こうしてみると「兵どもが夢のあと」という感じだけど、実際目にすると屋根さえつければ明日からでも生活できそうなのだ

 


インカの街づくりは、機能性もさることながら、その美しさはまさに芸術的。家々に囲まれた中心、いちばん低くなったところにはちゃんと広場があって、狭い土地をうまく使っているのがわかる

建物はピッタリと組まれた石によって造られている。石のひとつひとつはさほど大きくないけれど、ここが山の頂上だということを考えると「いったいどうやって作ったんだろ?」と誰しもが思う疑問がわいてくる

 

かつて日時計として使われたとされている巨石。インカの民は高度な天文技術を持っていて、正確な暦によって生活を送っていた。不思議な削られ方をした石に、彼らの英知が詰まっているのだ

マチュピチュは、どこにいても後方ににょきっと突き出たワイナピチュが見え、自然の営みが感じられる。この都市は、いかにもユートピアさながら、いるだけでかつての豊かな生活が彷彿とされるのだ。しかしこのマチュピチュは、敵からの侵略もなく、ある日突然インカの民から見捨てられてしまったとのこと。いったい、なぜ……?

 

実際に歩いてみると、マチュピチュはかなり高低差があり、いろいろなところに階段が設置されている。足腰の弱い人にはちょっとツライ都市かも……

マチュピチュ唯一の2階建て建築物である「王女の宮殿」。といってもインカ帝国に王女がいたのかどうかは実際には定かではないのだとか。うーん、謎多きインカ帝国である

 

こちらが「太陽の神殿」。石を積み上げて作られているのに、実になめらかな曲線が出ている。直線が多い遺跡のなかで、ここだけが曲線であるということが、かつてこの建物が神聖なものだったことを表している

マチュピチュの遺跡はかなり広い。おまけに景色が似ているので、「アレ、こっちは見たっけ?」と道に迷うこともしばしば

 


マチュピチュはかなり急な斜面にも、段々畑がびっしりと作られている。数千人がこの都市で暮らしていたとされているので、必要なものだったのだろう。この都市はまさに都市として完璧な構造をしているのだ
ふもとの温泉街アグアスカリエンテスまで戻る。遺跡からははるか遠くに見えたウルバンバ川が街に心地よいせせらぎをもたらす。ふもとにはこんなのどかな土地があるのに、いったいなぜあんな山のてっぺんに街を造ったのかなあ?

 

街の一角で遊ぶ少女たち。この村は観光で多大な収入があるせいか、子供たちの身なりもなかり上等。彼女たちもきっとインカの末裔なのだろう
村のなかには線路が走り、村人はその線路を普通に生活の場として使っている。日本だったら「危ない!」と鉄線でぐるぐる巻きにされそうなものだけど……

 

翌日、帰りの列車のなかから見ると、周囲は雲に包まれて神秘的な景色になっていた。なんだか思った以上にドラマチックなマチュピチュ遺跡だったな……