普段はあまり移動方法にこだわらない私たちですが、この列車だけはどうしても乗りたかったもの。なんせ、世界最高地を走る列車なのです。値段はバスより倍近くするものの、ゆったりと座りながらアンデスの雄大な景色が眺められるのは列車ならでは。移動しながら観光する……まさに「世界の車窓から」な写真をお楽しみください

 

私たちが乗り込んだのは「クスコ〜プーノ」間の列車。ブルーと黄色を基調にしたおもちゃのような列車でした。さて、いよいよアンデス列車の旅がスタート!

 


車内は4人がけの向かい合ったシートに、クロス付きの立派なテーブルが備え付けられています。私たちの行った時期はオフシーズンで、この4人がけをふたりで占領してました

列車が走り出すと、まずはクスコ市のおもちゃのような家並みが見えました。山々に囲まれた茶色い家……クスコってフォトジェニックな街ですな

 


走り出して30分もすると家は途切れ、雄大なアンデスの山々が連なってくる。川に沿って列車はガタンゴトン……「旅してるなー」と思うのはこんな瞬間かも


途中過ぎていった街では、線路ギリギリに青空市場が広がっていました。道行く人も足を止めて列車をのんびりと見送ってくれます

 


途中乗り込んできた流しのおっちゃん。インディヘナのカラフルな衣装に身を包み、揺れる列車に足をふんばりながら、どこか懐かしいような歌を聞かせてくれました。観光客があんまり関心なさそうなのがちょっぴりかわいそうだったけど

標高が徐々にあがってきて、目の前には雪を抱いた山々が現れました。基本的に移動のときに景色を見るのがダイスキな妻は、子供のようにはしゃいでおりました

 


アンデスのふもとをつっきるように、青い列車が進んでいく。このまま気づいたら空でも飛んでいたりしないかな……

車窓からは景色だけじゃなく、いろんな動物が楽しめる。そろそろおなじみになってきたリャマの一団は、列車が通り過ぎるのに気にも留めず、のんびりと草をはんでいた

 


お昼過ぎ、世界最高地にある駅に到着。4000メートルを超える場所にあるこの駅は、思った以上に小さな素っ気ない駅でした

列車が止まったのを見計らって、地元の人がワラワラと集まってくる。民族衣装に身を包んだ少女は、アルパカの子供と子羊をひきつれて、「写真撮って!」とせまってくる。もちろん有料だけど、子羊を撫でるだけならタダ?

 

周囲はひたすら雄大な大地と山脈が続く。狭い山国の日本に分けてほしいぐらいだ。しかし、こんなところに線路作るの、大変だったろうなあ

辺りがぼんやりと暗くなってきたところで、目の前にチチカカ湖が見えてきた。伝説では、インカの初代王が降り立ったといわれる湖。それも納得してしまうぐらい、幻想的な風景なのです

 


空が夕日でピンクに染まるころ、遠くにプーノの街が見えてきました。所要10時間近くもの列車の旅。でもまだしばらくは乗っていてもいいかな〜と思いつつ……