友和(以下、友):あけましておめでとうございます。
絵里(以下、絵):あけましておめでとうございます……って、海外にいるとこの言葉って、いかにも日本的な響きがあるね。
友:そうだねえ……(しんみり)。というわけで、毎年恒例の年始夫婦対談、今年もやってみましょうか。
絵:恒例って言っても2回目だけどね。
友:3回目はあるのか? どうなるのか?……って感じだけど。
絵:そういう意味では、相変わらず将来の見えない私たち(笑)。
友:まあ将来の不安を思うよりも、過去の思い出にひたるってことで。
絵:年始早々、思い出にひたっている私たち(笑)。
友:でもまあ、今年はよく旅したねえ。去年のこの対談、「アジアの旅を振り返る」だったもん。
絵:で言ったら今年は「アフリカと中東とヨーロッパとアメリカと中南米の旅を振り返る」だもんね。長過ぎる(笑)。
友:なので、2003年の旅を振り返るってことで。
絵:安直だあ(笑)。

※この対談記事は2004年1月1日に配信したメルマガの内容を再編集したものです

■目次
・アフリカの旅を振り返る
・中東&ヨーロッパの旅を振り返る
・アメリカの旅を振り返る
・中南米の旅を振り返る
・で、2004年……

●アフリカの旅を振り返る

友:で、まずはアフリカ。ほんと行く前はドキドキだったよね。「暗黒大陸にはいったい何が待っているのか!」って感じで。絵里ちゃんなんか、アフリカへのフライトの前は、どよ〜んと暗い顔してたもん(笑)。
絵:いまだから言うけど、「アフリカ行ったら殺される〜」って思ってた(笑)。でも行って思ったのは、まあ私たちが旅した東アフリカは比較的近代化されていたエリアっていうのもあるけど、アフリカといっても世界の一部で普通に人は住んでいて、私たちにとっては未知の国々でも、その国に住む人にとってはアフリカは日常なんだってこと。
友:そうだね。アフリカが身近になったところはすごくある。
絵:うんうん。だからこそ、アフリカは思い切って行ってよかった地域ナンバーワンだと思う。ぼやけていたイメージが具体的になったというか、たとえば「ジンバブエ」と聞いて「あ、こんな国だった」ってはっきりとした映像が浮かんでくる。
友:でもアフリカのイメージって、やっぱり黒人だよね。
絵:まさにそう! 最初は周囲の人が黒い! ってことに、頭では当たり前だと思っているんだけど、気持ち的に馴染むまで時間がかかった。
友:でも慣れてくると、まあ黒人といってもいろんな人がいるし、悪い人もいればいい人もいるっていうごく当たり前のことがわかったよね。
絵:でも旅行者に対して凶暴な人も多いけどね。私たち、アフリカではなんのトラブルもなく過ごしてきたけど、でも全体的に見たら実はそういう旅行者のほうが少なかった。
友:そうだねえ。強盗や盗難に遭ったりとか……実際、出会った旅行者の半数ぐらいがなんらかのトラブルに遭ってるからね。やっぱりデンジャラスなところも多いかも。
絵:でもだからこそやっぱりそそられるというか、「アフリカでどこがよかったですか?」って聞かれること、多いよね。
友:「どこがよかった?」って聞かれると難しいけど、印象が強かったのは、エチオピアとジンバブエと南アフリカ。南アフリカと言っても僕たちが行ったケープタウンの印象が強い。
絵:エチオピアは変な国だったね。よくも悪くもストレンジだったというか。欧米に植民地化された歴史がほとんどないから、アフリカの中ではすごく歴史を感じる国だし、そのぶん人もほかの国とはちょっと違ったプライドみたいなのもあって。そういえばエチオピアで会ったジャマイカから帰化したラスタマンたちみたいな、存在自体が強烈な人たちもいたしなあ。
友:ジンバブエは、経済がストレンジだったね。闇両替がとんでもないことになっていて100ドル両替すると、札束がドバーってくるっていう。
絵:ガソリンがなくて、ガススタに無人の車がズラリと並んでいた光景は忘れられない。でも国自体はいわゆる私が思っていた「アフリカ」というイメージにピッタリだったな。大らかな人たちもいっぱいいたし、何より音楽に溢れていたし。
友:そうだ、そうだ。ジンバブエではよくライブに行ったよね。オリバーのライブなんて、絵里ちゃん号泣してたじゃん(笑)。
絵:確かに、あのライブはいまだにこの旅ナンバーワンのライブかも。
友:アフリカでナンバーワンの食べ物といえば、南アフリカのケープタウンで食べた寿司!
絵:あ、あいつはヤバかった! ようやくアフリカは最南端に辿り着いて、そこには……ジャジャーン、お寿司が待っていました! みたいな。後にも先にも、あんなに興奮して食べた寿司はないかもねえ。でもいま考えても、日本の寿司にも勝るとも劣らない寿司だった。
友:ケープタウンはよかったよね。街がオシャレで、自然もあって。
絵:南アフリカは、アパルトヘイトなんておいそれと気軽に話せないダークな部分もかなりある国だけど、ケープタウンの環境だけ見れば、住みたいぐらいいい街だよね。もちろんお金を持って、の話だけど。
友:でも住むにはちょっと治安が気になるところだなあ。そういう意味ではケニアのナイロビには住めないかも……。
絵:確かに、あそこはなんかギラギラしてた。街に出るときは、なんか肩に力が入っていたしね。
友:でもそのぶん刺激はあったよね。あとケニアといえばサファリも楽しかったし。
絵:そうそう、忘れちゃいけないのがタンザニアのザンジバル! 街はアラブなんだけど、ビーチはホント、「最後の楽園」って感じだった。ビールの宣伝に使われていそうな真っ白なビーチとエメラルド・グリーンの海が続いていて……。
友:しかもいままでのビーチ・ランキング・ナンバーワンに挙げてもいいぐらいなのに、人がほとんどいないのも、またポイントが高かったなあ。
絵:こうして振り返ってみると、やっぱりアフリカはいろんな意味でものすごい刺激がいっぱいあったよね。
友:そうだねえ。ヨーロッパにいる頃は絵里ちゃん、しょっちゅう「あーアフリカよかったな〜」って遠い目をしてたしね(笑)。
絵:行く前は殺されると思ってたのにね(笑)。

 

●中東&ヨーロッパの旅を振り返る

友:で、アフリカはケープタウンから一気にエジプトに飛んで。
絵:ちょっと寄るだけのつもりのエジプトだったけど、着いた瞬間、「な、なんかこの国、めちゃめちゃ濃くないか〜?」っていきなり圧倒されたよね。めちゃめちゃ暑いし、人の顔も雰囲気もアツイ。
友:お菓子なんて、これでもか〜! ってぐらいめちゃめちゃ甘い。で、そういうのをヒゲもじゃのオヤジがうまそうに食べてる国、それがエジプト(笑)。
絵:でもやっぱりエジプトの遺跡はさすがだったよね。ピラミッドしかり、ルクソールしかり。世界からあれだけの観光客を集めている理由がわかったっていうか。
友:確かに。そのあと飛んだトルコは、逆になんかサラっとしててすごく旅しやすく感じた。まあ観光地ばかり行っていたせいもあるのかもしれないけどね。
絵:でもトルコに行ったときは「ああヨーロッパの始まりだわ〜」と思ったけど、あとから考えると全然ヨーロッパじゃなかったっていう(笑)。トルコはやっぱりアジアだよね。
友:賛成。本格的にヨーロッパになったのはやっぱりギリシャから。僕、ギリシャ好きなんだよね〜。
絵:この頃からともちゃんは急にワインを空け出したっていう(笑)。でも私もギリシャは好き。アテネのあのごちゃごちゃした感じも好きだし、市場好きの私としては、アテネの市場はかなりポイントが高かった。あと、最初は「ち、ナンパな場所だぜえ」と思っていたエーゲ海も、行ってみたらいっぺんにハマってしまったという(笑)。
友:ギリシャでさ、初めて覚えたものにオリーブがあるよ。日本ではオリーブってサラダのうえに邪魔くさく乗っているヤツっていうイメージだったんだけど、ギリシャではホントいろんな種類があって、酒のつまみとしては最高! っていうのを初めて知った。
絵:で、ともちゃんの緊急帰国が決まったのもそのギリシャだったね。
友:免許が切れることに気づいて、エーゲ海よりも青くなった(笑)。
絵:で、晴れて私のひとり旅、がイタリア。イタリア、楽しかったなー(笑)。
友:それを言わないで!(泣)。いいもん、いつかイタリアはリベンジするもん。
絵:イタリアって国が楽しかったのもあるけど、この時期はひとり旅が新鮮だったっていうのもある。
友:ふん!
絵:で、ふたり旅を再開したクロアチアは……キレイな国だったねー。
友:うん、確かにちょっと前までドンパチやっていたのが信じられないぐらい。久々に「世界一周デート」らしくデート感があったね(笑)。
絵:でもその割にはアドリア海でふたり揃って全裸になってたけどね。全裸でゲームボーイやって幸せそうだったね、キミ(笑)。
友:で、そのあとはボスニア・ヘルツェゴビナに行って気分がちょっと重くなり……。
絵:でも東欧の頃はとにかくパンパン移動してたよ。長くても3泊、4泊ぐらいで次々行ってたし……。
友:でもそのせいか、東欧の印象ってちょっと薄いよね。
絵:確かに。私もヨーロッパっていうと東より西のほうが好きだったなー。ドイツはラブパレードのせいか、特に印象深い。
友:そうだね。ドイツはいまでも気になる国。いずれまた北欧なんかとセットでゆっくりまわりたいな。
絵:そうだね。北欧、今回は街しかいけなかったから、今度は自然を堪能しに。でも北欧の街、特にデンマークの首都コペンハーゲンは予想と違った。すっきりしてるんだけど、どこか洗練されているというか……。
友:夏に行ったせいか、スケーターとかおしゃれなキッズが多かったよね、コペンハーゲンは。思ったよりとんがった街だった。そういうのをゆっくり見るためにも、今度は車を借りてドライブしたいなー。もちろんたっぷりお金を持って(笑)。
絵:でもヨーロッパってさ、確かにこういう旅行だとお金は厳しいけど、でもお金なきゃないなりにそれなりに楽しめるよね。街がキレイだからかな?
友:うーん、それもあるし……。ヨーロッパって高いものは高いけど、でもエンターテインメントとかさ、日本よりずっと安く楽しめる部分はあるんじゃない? スペインの闘牛だってさ、10ユーロしなかったよねえ?
絵:闘牛! そうそう、10ユーロで味わえるサスペンス(笑)。闘牛はホント強烈だったなあ。賛否両論はあるけど、私、アレはホントすごいと思う。音楽以外のエンターテインメントでスゲエ! って心底ビックリしたのは中国は上海の雑技団とスペインの闘牛だな。
友:スペインといえばさ、ご飯もおいしかったし。あと絵里ちゃんはフラメンコにいたく感動してたよね。
絵:そうそう! フラメンコってカッコいいのよね〜(うっとり)。そう考えるとスペインって、やっぱりなにかと情熱的だよね。色でいうと赤! みたいな。
友:で、お隣ポルトガルは地味目なからし色! とか(笑)。ポルトガルは確かに地味で田舎だったけど、そのぶん素朴なヨーロッパって感じがした。なんか人の印象がいい。
絵:で、忘れちゃいけないのがロンドン。
友:ロンドンはひたすら物価が高くてせちがらかった。
絵:ロンドンって奥が深そうだけど、こういうバックパッカー旅行でちょろっと通り過ぎるにはちょっと不向きかもね。一度、郊外に行こうとして駅に行ったら、列車の切符が高過ぎて買えなかったことがあったねえ。
友:あー、あれはみじめな瞬間だった(笑)。けど、ノッティング・ヒルのカーニバルは楽しかったね。
絵:タダだったしね(笑)。ロンドンのパワーを感じたというか、ロンドンって私的にはシャーロック・ホームズのイメージ、いかにもおしゃれでスマートな街ってイメージだったんだけど、実はニューヨークと同じく人種のるつぼで、ロンドンにもいろんな面があるんだってことをあのお祭りで知った。ロンドンの黒人が大集結してたよね。
友:それはパリにも言えることだと思うな。パリっていうとパリジェンヌがさっそうと歩いているイメージだけど、でも実際は隣で腕組んでる彼氏がマッチョな黒人だったりするし。
絵:そうなんだよね。パリも実は雑多で、でもやっぱりなんとなくどことなくパリ、みたいな。うまく言えないけど。でもパリで思ったのは確かに言われているように、パリって中年の女性がすごくキレイだと思った。
友:でもってやっぱり飯はウマイ。ワインもウマイ、と(笑)。
絵:ヨーロッパも西になると、ともちゃん毎日1本ワイン空けてたよね。
友:日本にいた頃は、ワインなんて……って思ってたし、だんぜんビール! って感じだったけど、実はいま思うとおいしいワインを飲んでなかったんだよ、きっと(笑)。
絵:そうそう、パリと言えば忘れちゃいけないのがアンジェリーナのモンブラン。
友:あああ! アレはモンブランに持っているイメージを大きく覆してくれたね。まさに奇蹟のモンブラン(笑)。この旅のスイート部門、ナンバーワンに認定しちゃってもいいかも。これからパリに行くみなさん、ルーブル美術館に行ったら、忘れずに近くのアンジェリーナでモンブランを食べて帰りましょう!

 

●アメリカの旅を振り返る

絵:アメリカ入りはバーニングマンに合わせて、わざわざ航空券代の高い時期に飛行機取ったんだよ。
友:でもその甲斐はあったかも。もうちょっとゆっくりできればなおよかったけど。
絵:いやあ、バーニングマンは強烈だった。先にも後にも、あんなパーティに行ったことないもん。一瞬の場としては、この旅始まって以来のショックだったかも。アメリカ人ってスゴイ! ここは地球じゃない! って思ったし。
友:そうだね、バーニングマンはすごかった。で、その後の旅はの印象はやっぱり横断ドライブだな。
絵:アメリカってさ、バックパッカーには敬遠されがちだよね。やっぱり足がないと動きづらいところだし。下手したらヨーロッパよりもずっとお金がかかる。だから最初は「どうかなー?」って思ってたけど、ドライブしていくうちに「アメリカ、サイコー!!!」ってなってたよね(笑)。
友:アメリカは絶対ドライブがいいと思う。毎日ハンドル握りながらニヤニヤしてたよ。
絵:だね。でさ、アメリカって広いから飽きるかなーって思ってたけど、実際は全然そんなことなかった。景色はくるくる変わるし、日本人の私たちには地平線があれだけ見えてる景色ってのは新鮮だったな。
友:やっぱりアメリカの自然ってスゴイと思う。絵ハガキになりそうな雄大な景色がそこらじゅうに落ちているもんね。
絵:で、それが名もない牧場だったり、普通にハイウェイの脇に広がっていたりする。日本人から見ると、「ちょっとその土地分けてくれ!」って感じだけどさ。
友:で、飽きた頃に街がやってくる、と。
絵:街で好きなのは……? あ、ともちゃんラスベガスか(笑)。
友:それ、絵里ちゃんだって好きじゃん(笑)。
絵:いや、好き、好きです(笑)。私やっぱり華やかなところ、好きなんだよねー。ラスベガスとかさ、完全に遊ぶための街じゃん。あそこまで徹底してるのって気持ちいいよね。よく「観光地化され過ぎてる」とか言うけどさ、ラスベガスなんて観光客と観光客相手に仕事している人しかいないからさ、もう張り切って遊べちゃうわけですよ。
友:その割にはしょんぼりしてラスベガス出ていったけどさ(笑)。
絵:次は見てろよ〜!
友:絵里ちゃん、メキシコ国境のエルパソもお気に入りだったよね。
絵:そうそう、なんかアメリカのなかの異端っていうかさ。街中でスペイン語が飛びかっていて、スーパーに行けばメキシカン・フードがズラリと並んでる。これもアメリカなんだーって。
友:でも国境を越えたらさらにガラリと雰囲気が変わったよね。いきなり物価は半額以下になるし、英語が通じないし。あと、ニューオーリンズもよかったねえ。
絵:ニューオーリンズ! あそこもアメリカのなかの異端のひとつっていうか。アメリカのくせに郷土料理はあるし(笑)。あとやっぱりニューオリンズといえば音楽!
友:ニューオーリンズでもよく遊びに行ったね。夜とか、ちょっとビクビクしながら。ニューオーリンズは全米でもかなり治安が悪いらしいしね。
絵:そういえばさ、ニューヨークでは夜遊びしようと思って結構遅くに出て行って、バスが来なくって泣きそうになったこともあったねえ。寒い! 怖い! バス来ない! みたいな(笑)。
友:ははは。でもニューヨークのクラブはやっぱりカッコよかった。あと、ニューヨークの思い出は日本食。
絵:そうそう、ニューヨークとかアメリカって、「コレを食べろ!」ってものがないから、バシバシ日本食食べてたよね。横断ドライブのあとに辿りついた先には日本食が待ってました! みたいな。あ、コレ、アフリカと同じパターンだ。
友:吉野家にもよく行ったし(笑)。でもニューヨークの日本食はやっぱり世界一じゃないかな。
絵:日本を除いて、ね。
友:まんま、日本と同じラーメン屋さんとか居酒屋が普通にある。食の面では日本人が日本人として当たり前に生きていけるのがニューヨークなのかな。

 

●中南米の旅を振り返る

絵:で、またバックパッカーに戻ったのが中米はメキシコから。アメリカはドライバーだったからね。
友:メキシコよかったなー。飯がウマイ、酒もウマイ、で。
絵:なんかメキシコって華があるよね。ビバ、メヒコ!
友:観光的にも、海あり遺跡あり民族あり……と盛りだくさんなのがメキシコ。私たちが行ったときはちょうどメキシコの伝統的なお祭り「死者の日」も重なっていたし。
絵:メキシコってついつい「アレも、コレも」と欲張りたくなるよね。
友:で、その反対になーんにもないのがキューバ。
絵:そうそう、あの国、ホント物がなーんにもなかったねえ。デパートとか行っても、ショーケースにポツーン、ポツーンと物がちょびっとしか置いてないっていう。「社会主義ってこういうものだったの!」って度肝を抜かれた。ハバナの町は北斗の拳の舞台みたいだし……インパクトの強さではキューバは久々の大ヒットだな。
友:物は全然ないんだけど、音楽はあってカルチャーはある。みんななんか知らないけどやたら陽気だし、踊りはめちゃめちゃ上手いし……不思議な国だったな。
絵:旅していると「あ、ココってどこそこに似ている」って思ってしまうことが多いけど、キューバだけはまったく初めての国だった。こんな国が世界にあったのか! っていう。
友:そういう意味ではペルーから初めての南米に突入したときもドキドキだったね。
絵:その割にはバスでガン寝してて、パソコン盗られるし……。
友:ああ、その話は……。
絵:ああ……。
友:でもそのときこそ、このホームページをやってる意味とかさ、旅のこととかさ、改めて考えることができた気がする。
絵:普段は「さ、やるべやるべ」って勢いにまかせてやってるしね。
友:この対談もね(笑)。
絵:でもペルーって国はそんなに嫌いじゃない。マチュピチュもあるし、アンデスのきれいな国って感じ。観光大国っていうのもわかる気がする。
友:マチュピチュはよかったなー。なんか思い出の中でもキラキラしてるもん、あの遺跡。
絵:景色的には、ボリビアはウユニもやっぱりスゴかった。こんなところが地球にあるのか! って。
友:絵里ちゃん、よくビックリするよね(笑)。
絵:でも、ともちゃんも塩湖見て「はああ〜」って放心してたじゃん!
友:ハイ、すみません。ボリビアっていま思うとホントに山国って気がする。ボリビアの人とかさ、険しい顔しているよね。眉間にシワが寄っているというか、この自然と闘って生きてます! みたいな。
絵:確かに、ボリビアの首都ラパスって、世界最高地にある首都だからね。富士山の頂上よりさらに上に普通に暮らしてるんだから、眉間にもシワが寄るよ。
友:で、チリに抜けたら一気に人がガラリと変わる。
絵:「オラ〜!」って金髪美人が手を振ってくるっていう。いきなりラテンのノリになった。すぐ隣の国とは思えないぐらい。
友:道も、ボリビアでは未舗装のダート道なのに、チリに入ったとたんスーっとアスファルトが続く。分けてやれよ! って思っちゃうよ。
絵:ほんと、すぐ隣の国なのにね。その点、チリとアルゼンチンは同じノリだよね。まあアルゼンチンのほうが都会だけど。なんかさー、ここまで見た南米はペルーがインディヘナの兄、ボリビアがインディヘナの弟でさ、アルゼンチンがラテンの兄、チリがラテンの弟、って対比してる感じがする。
友:ってか僕らが勝手に対比させてるだけだけどね。
絵:飯は圧倒的にラテンの国のほうがウマイかもね。
友:それはもう絶対でしょう! ペルーもボリビアも聞いていたよりはおいしいと思ったけど、チリのシーフード、アルゼンチンの肉に比べたら……。
絵:チリはアナゴまで食べちゃったしね。でもってアルゼンチンの肉はひたすら分厚い。しかもめちゃめちゃ柔らかい。
友:アルゼンチン万歳! って感じだよ。アルゼンチン出るまでにいったい何キロの肉を食べるんだろうなあ……。

 

●で、2004年……

友:で、2003年の年越しはパタゴニアは世界最南端の街、ウシュアイアですな。
絵:ですな。
友:寒いですな。
絵:ですな。
友:でもまあはしょっているところも多いけど、とりあえずここまで来れたことに乾杯。
絵:って、勝手に乾杯始めてるでしょ(笑)。
友:だってここアルゼンチンはワインが安いしー。
絵:まあ確かに、アルゼンチンは2年ぐらい前から経済が崩壊して始めて、バックパッカーにはいまオイシイ国だよね。
友:単に物価が安いというよりも質の高いものが安いからうれしい。
絵:アルゼンチンかなりいいよね。首都ブエノスアイレスとか住みたい街にリストアップしたい。
友:というわけでパタゴニアをまわったあとはしばらく再びアルゼンチンを堪能し……。
絵:最後は南米の大国、ブラジルが待っております。うーブラジル楽しみだなー。
友:カーニバルもあるしね。
絵:でそれが終わったらいよいよ帰国……。2月末か3月頭かな。いよいよ日本だね。寒そうで、それだけが嫌なんだけど。
友:……帰国したら、どうしようか。
絵:……どうしようか。
友:まあそれは帰ってから考えるということで。
絵:それも言い続けて早1年以上だね(笑)。
友:じゃあ、帰ったらとりあえずの目標は日本に慣れるってことで(笑)。
絵:(笑)。ま、まずはそこから。
友:日本に帰ったら、何かしたいしね。
絵:じゃ、いろいろ作戦を練るということで。
友:作戦を練りつつ……。
絵:ブラジルを安全に旅しつつ、遊びつつ、サンバしつつ……。
友:たまっているホームページもやらなきゃ!
絵:あっ!!!
友:……何はともあれ、今年もよろしくお願いします(ぺこり)。
絵:今年もよろしくお願いします(ぺこり)。

(2004年1月 妻・松岡絵里編集)

 

 

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