大学時代はともちゃんにほのかな恋心を抱きつつ、「でも私にふり向いてくれないのね」と思っていた私。だから再会したその日に彼女がいない!って知った2時間後ぐらいには私から付き合って、って言っていた……安直な私。でもその瞬間になんとなーく「あ、私はこの人と結婚するだろうな」っていう気がしていた……よくある話だけど。
でも旅となるとまた話は別だ。つねづね「旅は絶対ひとり旅がいい」と私は言っていた。ひとりのほうが孤独なぶん、孤独を紛らわそうと外に出るからだ。もちろん女の子のひとり旅は危険だけれど、そのぶんやさしくしてもらえるという女の下心(?)もあった。それが連れ合いとのふたり旅。う〜ん、話が違う。
でも決め手は岡村さんのひと言。彼は4年ぐらい前にインドで知り合った友達で、一時、私の家に居候もしていた決して40歳には見えない40歳のドレッド兄さんで、ここ10年ぐらい日本でお金を貯めては海外に出るという生活を繰り返している真性の旅人だ。その彼が「いいよな〜、オレも女の子とふたり旅とかしたいよ〜」とボソッと言ったのだ。長年旅を続けている岡村さんが「いいよな〜」と言ったのは説得力がデカイ。やっぱりふたりで一緒の景色をみたいんだよね。直感に近いけど、今はそう思っている。
考えてみると海外にひとり旅をして旅先で彼氏を作るってのはよくある話で、現地の人ならそのまま現地妻になるんだろうけど、私の場合、あまり外国人男性に興味が沸かない。これは別に、外国人男性は……とか言うつもりもなくて、単に日本人にしかフェロモンを感じないのだから仕方がないと思う。だから旅先でどうにかなるとしても相手は日本人の確率も高いわけで、もし旅先で出会ったとしてどうにかなっても、帰るふるさとは一緒だ。で、そういう場合、スキー場の恋と一緒で、たいがいうまくいかない。
あ、旅先で誰かと知り合ってそのまま付き合う、という話が前提になってしまったが、そうでなくてもたとえばイスラムの国々や南米、アフリカなど、絶対に男性のパートナーと一緒にいたほうがいい国もある。そういうときに下手なパートナーを探してそのまま部屋をシェアして、そのままなんとなく情が移って、これは恋かしら?なんて勘違いしてほにゃほにゃなっちゃう可能性も高いかな、という話。あ、それでもほにゃほにゃなるというのが前提か。でもとにかく1年間世界中をまわって誰とも愛だの恋だの一字もないよりも……と思ってしまうのが私で、それならちゃんとした相手とセーフ・セックスでしょう(強引?)。(妻・松岡絵里筆)
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